発達障害者支援法の大人への就労のメリットとは?!

      2015/08/16

発達障害者支援法は、福祉の世界のみならず、社会に様々な影響を与えました。成立の必要性は高く、臨時国会において全会一致で成立した議員立法でもあります。

第1条には、発達障害者支援法がなぜつくられたか、何のために作ったかの目的と理念を定めています。

第2条で発達障害についての定義があります。ここでは教育と就労について解説します(厚生労働省のHPに法律全文があります)。

 

発達障害者支援法と大人への就労

発達障害者支援法は、第14条に支援センターの設置に関する条文があります。これによって、各地に発達障害者支援センターが作られ、また、就労移行のためのセンターも作られることになりました。

発達障害者支援法が公布されてから、発達障害者に特例子会社などへの就労支援が受けられるようになったことは、社会参加への大きな意義があったと思われます。

もちろん、発達障害者だから特例子会社でしか働けない、というのは違います。発達障害者には、特技ともいえる特性を持った人もいます。

研究で優れた結果を出したり、整理や事務仕事が得意だったり、自分の特性を生かして働くことさえできれば、社会的に大きな成果を出すことができます。

そのためには、自分の特性はどんなものかをちゃんとつかんでおかなければなりません。ところが、発達障害の方は、自分を客観的にみることが苦手です。あなたはどうですか?客観的に自分をつかむために、支援センターでアドバイスを受けることは、意味のあることなのです。

 

発達障害者支援法と教育

発達障害者支援法は第5条で児童の発達障害の早期発見、7条で保育、8条で教育と、教育分野にも大きく言及しているため、文部科学省は施行と同時に各学校や市町村あてに通知をし、協力と理解を求めました。
それまで、支援の対象になっていなかった児童が、特別支援学級や特別支援学校への入学を認められ、適切な学校教育支援を受けることにより、学校生活の問題を改善することにつながりました。吃音なども発達障害として支援を受けることができるようになりました。

各地で「ことばの教室」のような特別支援学級に週1~2回通学できるようになりました。

これを読んでいるあなたが学齢期だったころの制定ではないでしょうか?急な人数の増加はありませんでしたが、発達障害の存在が知られていくにしたがって、特別支援学級への編入希望人数は増加しました。

ですが、受け入れ可能人数が増加したわけではなく、抱えきれない学校が増加したという背景があります。

現場が施策に追いついていかなかったのです。

支援学級への受け入れの待機待ちという経緯もあり、人材の確保や育成に各自治体が力を入れ始めています。

発達障害者支援法の課題

 発達障害者支援法は、発達障害の定義をし、社会参加をするためのシステムの構築と理解を求めています。ただ、発達障害者支援法には確かに大きな意味がありましたが、課題も残されています。
例えば、大人の発達障害で悩んでいるあなたが、障害であることを理由に職場で差別を受けたとします。その差別は、この法律に違反するものではありません。罰則そのものがないからです。また、発達障害においても、すべてを網羅しているものではありません。ダウン症などは、学術的には発達障害として規定されていますが、発達障害者支援法には発達障害と規定されていません。なので、ダウン症は法律上は発達障害ではないということになっています。
これらが発達障害者支援法の現状と課題です。法律は、公布されればそれで完成ではありません。生きている人間のためのものですから、改正点は出てきて当たり前です。しかも、発達障害はまだ黎明期にあります。改正を積み重ねて、より生きやすい社会の実現を図ってほしいものです。

 - 発達障害者支援法