大人の発達障害者にかかわる手帳制度について関心はありませんか?

      2015/08/16

発達障害者支援法が施行されてもう10年以上がたちます。発達障害者の支援と理解を理念としたこの法律は、今まで福祉の谷間にいた発達障害者に光を当て、就労支援や教育現場での対応などを促すきっかけとなりました。

障害者と健常者を分けるものは多々ありますが、その中でも一番の基準となるものが「手帳」です。

発達障害者支援法の意義

発達障害が日本で初めて障害として認識されたのが、発達障害者支援法でした。その前も、身体障害者、知的障害者に関する法律はありましたが、身体障害者のための法律は第2次世界大戦の戦傷者の激増を受けて作られたという歴史があります。

知的障害者の場合は、理解も支援も遅く、明治維新以後はしばらく排除と隔離の歴史だった背景もあります。

障害者のための法律と、時代による変遷はいくつもの本にまとめられています。

知的障害者と身体障害者は、同じ障害者であっても扱われ方が違い、それぞれに法律が定められていました。要約すると、障害者には2種類あるとされていたのです。

法律がバラバラだったために、たとえば、知的障害と身体障害を併せ持つ障害は、両方の法律に照らし合わせる必要がありました。

時代とともに障害者に対する理解も違ってきています。そして、知的障害を併発しない、身体障害も持っていない、行動の不適合を持つ障害である発達障害も障害として認定されたのが、発達障害者支援法の大きな意義です(詳しい用語等については、法律本文を読まれることをお勧めします)。

 

発達障害者支援法と手帳

大人の発達障害でお悩みのあなたに、手帳は発行されていますか?実は、発達障害者支援法には、同時の手帳制度がありません。

発達障害で手帳を発行してもらうときは、療育手帳、または精神障害者保健福祉手帳のいずれかになります。


療育手帳は、知的障害者にかかる手帳制度です。「知的障害者福祉法」に定められています。

一方、精神障害者保健福祉手帳は、精神障害者にかかる手帳制度です。

「精神保健及び精神障害者福祉に関する法律」に定められています。身体障害者のための手帳は、「身体障害者福祉法」に定められています。

発達障害は、それ自体は精神障害ではありません。なのになぜ、療育手帳と精神障害者保健福祉手帳の二つが選択肢として用意されているかというと、二次障害を引き起こしていたり、その他の障害を併せ持ったりしている可能性があるからです。

手帳には一つ、大きな問題点があります。判定基準の設定が、都道府県によって定められているため、自治体によって違うのです。

例えば、あなたのiqがA県では療育手帳の交付対象にならなかったとしましょう。

ところが、あなたの家が県境にあったとして、引っ越して隣の県に移った場合、交付対象となることがあります。

全国基準がありません。

これが、手帳について見直しが要求されている論点です。

 

発達障害者支援法と教育

発達障害者支援法は、教育の世界も変えました。各種学校及び教育委員会に、平成17年4月1日付で文部科学省から「発達障害者支援法の施行について」という公文書が通知されています。

そこでは、学校教育における発達障害者の存在とその理解について、また、市町村に向けて発達障害者の保育の支援に関する条文が明記されています。

発達障害者は、適切な支援を受ければ、社会で普通に生活していくことが可能です。そのための支援をするセンターなどが各地につくられました。

発達障害者支援法の一番のメリットは、就学、進学、就労、就労以降などにおけるライフステージの変化のときに支援が受けられるということです。

また、支援センターの設置についても定められました。その県に指定都市がある場合には、県のほかにそちらにも置かれることになります。

理念は定められましたが、補助金など財源の確保、予算などをどこから出すかも、都道府県に解決を求められており、お金の問題に関する具体的な記述はありません。このままだと、福祉にお金をかけられない県の福祉格差が心配されています。

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