発達障害者支援法ができるまでの経緯を知りたくありませんか?

      2015/08/17

発達障害という言葉が一般化する前にも、障害者のための法律はありました。法律には必ず背景と意味があります。

大人の発達障害でお悩みのあなたを守るための法律を、しっかり知っておきましょう。

大人の発達障害と法律

大人の発達障害は、長い間「福祉の谷間」といわれるところにありました。もともと、日本の障がい者のための法律が整備されたのは、第2次世界大戦で身体障害者になった人が激増したからでした。

その前にも、障害者のための法律はありましたが、1900年にできた精神病者監護法は、座敷牢を合法化するなど、人権をむしろ剥奪し、社会から遠ざけるためのものでした。

この法律は長く続いたため、今でも「知的障害者=隔離」という感覚が日本人にあるのではないかと考えられています。

隔離という感覚があるので、遺伝なのではないかという疑念などが生まれてきたのではないかと考えられます。当時、遺伝を恐れる余りの堕胎もあったといいます。

その後、1960年に精神薄弱者福祉法(現在は知的障害者福祉法)が成立します。

ただ、ここでいう知的障害者は、細かな障害についての規定を定めたものではありませんでした。

てんかん、自閉症がきちんと法律に付帯した記述をされるためには、1993年の「心身障害者対策基本法」の改正をまたなくてはなりませんでした。

 

大人の発達障害と福祉の谷間

大人の発達障害といわれている障害は、当時存在しないことになっていました。法律の世界には、定められていないことは「いないこと」とイコールだからなのです。

結局、当時分裂病と呼ばれていた統合失調症などを除き、adhdやアスペルガーなどは、障害の法律の範囲外とされ、かといって発達障害の症状が存在しなかったわけではなく、そういう人たちはずっと問題児扱いされてきました。

障害だとされていなかったら、発達障害は何だと思われていたと思いますか?発達障害は、後天的なものとされ、「育て方」が悪いとされてきたのです。

育てるのはたいてい母親でしたから、祖父や祖母、や父親から母親が責められることになりました。

父方の親族からも責められ、離縁したという話もあります。

家長は父親、家庭は母親と役割分担ができており、父母が力を合わせて子供を育てていこうとすることは珍しかった時代の話です。

発達障害支援法の制定

発達障害が初めて障害として認定されたのは、2004年の発達障害者支援法ができてからでした。発達障害について初めて明文化されたこの法律は、発達障害支援センターなどの設立、発達障害についての理解などを定めています。

これについては、ヨーロッパやアメリカなどの障害理解先進国の法律を参考に作られました。

アメリカのものは、「発達障害者権利擁護法」と訳されます。wikipediaからは英語版へのリンクが飛んでいます。

この法律がなければ、あなたは自分に問題があると悩んでいても、行政のサポートは一切受けられず、周囲の理解も得られず、大人としてただ社会にひたすらに適応しようと努力していくしかなかったわけです。
福祉の谷間であった発達障害に理解と支援を要求する権利を定めたことが、発達障害者支援法の大きな意義です。

ただ、この法律にもまだ問題はあります。

知恵袋などにも時々相談が載せられていますが、この法律は罰則などを定めていないので、たとえ発達障害者に差別をしたとしても、それを「違反」ということはできません。

さらなる改正が待たれています。

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