発達障害の原因が遺伝の可能性はあるのでしょうか?

      2015/08/17

発達障害の原因が取りざたされていますが、その中でも特にデリケートな問題が「発達障害は遺伝するのか」という問題です。これは大変難しい問題です。

発達障害にはグレーゾーンが多く、ここから発達障害という明確なラインはありません。

このため、遺伝の追跡調査などはとても困難です。

大人の発達障害は遺伝するか

大人の発達障害の遺伝に関しては、あなたもいろいろ聞いたことがあるのではないでしょうか。いとこ同士が発症しやすいとか、父親からの遺伝は母親からの遺伝の2倍だとか、男の子に出やすいとか、甥や姪などに出るとか、親子間の遺伝の確率は高いとか、諸説あるようですが、全部はっきりとした根拠のある話ではありません。

発達障害の概念自体がなかった時代の祖父母世代は、発達障害があったのかどうかもわかりませんよね。あなたが子供だった時、発達障害という言葉はまだ一般的ではなかったはずです。

今、幼児の発達障害が増加しているという数字は、新しい概念が出たての時によく起こる現象にすぎないかもしれません。

発達障害の遺伝の話は、研究を待った方がよさそうです。もしかしたら何も根拠はないかもしれないのに、夫が発達障害だから子供をあきらめたほうがいいかなどの相談もネットで多く見つかります。

完全に遺伝なのか、そうでないのかはまだわからず、発達障害の本などにも大変あいまいな書かれ方をされています。

大人の発達障害と自閉症

大人の発達障害は遺伝する、という説の強い根拠になっているのが「自閉症は遺伝する確率が高い」という話によるものだと思われます。自閉症という名前が初めてついたのは、1943年、アメリカでのことです。

それから現在までたったの70年ちょっとしかたっていません。

70年というと、ほぼ3世代です。統計にも研究にも短い時間です。

つま先立ちをしてもチックがあっても自閉症とは診断されない子もいます。疲れやすい子が100%自閉症かといわれたら、絶対そんなことはないでしょう。

自閉症も、発達障害の中の一つですが、脳の機能障害といわれています。

このことがわかる前は、親、特に母親に原因があるとして「母原病」などと呼ばれていた時代もあります。

傷つけられた母親たちの感情は、察するに余りあります。

きちんとした発表がなされるまで、諸説は盲信しないほうがいいかもしれません。発達障害の原因と考えられる、予防接種のワクチン、テレビを見すぎること、出産後すぐの低血糖、食品添加物などはいずれもまだ解明されたわけではありません。

あなたが心配なら控えてください。

ですが、それが原因と決まったわけではありません。

大人の発達障害、海外の現状

発達障害研究の先進国は、アメリカ、イギリス、フィンランドといわれています。残念ながら日本は、発達障害においては後進国です。

ですが、研究は進んでいるものの、治療法はいまだ薬物治療が中心です。

アメリカでは発達障害と診断される8割の人にリタリンを投与しているというデータもあります。

イギリスの興味深いガイドラインがあります。2008年にNICE(英国・費用対効果監視機関)の出したadhdの治療ガイドラインですが、こちらも薬物投与の両方が中心です。

ですが、イギリスのものはリタリン一辺倒ではなく、合併症がなければメチルフェニデートまたはストラテラ、メチルフェニデートが無効だった場合はアトモキセチンなどの投与の検討が勧められています。

先進国も、今は薬物療法とカウンセリングなどの対処療法が大枠で、有効なサポートはないか模索している状態です。一刻も早いもろもろの解明を待ちましょう。

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